フィル・スペクターの同人アルバム

2018年12月14日音楽系

【クリスマス】

クリスマスはイエス・キリストの生誕の記念日として、キリスト教圏では復活祭に次いで重要な日です。
クリスマスの過ごし方は各国、各地域で様々です。
お祭りではありますのでいくつかの共通点は存在します。

特に、装飾、ごちそう、プレゼント、音楽の4項目は欠かせません。

【クリスマス・ソング】

さて、お祭り色を強めたクリスマスですが、それは19世紀以降のアメリカのクリスマス様式の影響が色濃く反映されています。
よって、生み出されるクリスマス・ソングも、それ以前とそれ以後で色合いが大きく違います。

それ以前は教会で演奏・歌唱される曲が多い
それ以降は家庭や友人たちと演奏・歌唱できる曲が多い

といえるでしょう。

赤鼻のトナカイ、ジングルベル、ママがサンタにキスをした、サンタが街にやってくる
など、いずれも子供から大人まで楽しめる歌ばかりです。

 

 

【A Christmas Gift For You from Phil spector】

そんな子供から大人まで大人気のクリスマス・ソングです。
アメリカの音楽業界が放って置くわけがありません。
現在までポップス、ジャズとカバーされまくっています。

わたしの大好きな1960年代を代表する音楽プロデューサー、フィル・スペクターもカバーしています。
それが”A Christmas Gift For You From Phil Spector”というアルバムです。

  • クリスマスのスタンダード・ナンバーだけを集め
  • 自分の数々のヒット曲のアレンジを当てはめ
  • 自分のレーベルと契約している歌手に歌わせ
  • アルバムの最後の曲”きよしこの夜”には自ら”MC”として登場する

という、スペクターがやりたい放題やったアルバムですw
さしずめ、スペクターの二次創作、同人作品といったところです。
なにしろアルバムのタイトルに制作者の名前が入っているんですからね。

その企画が実現可能となったのは、

  • この企画が生まれた時点で数々のヒット曲があったから
  • それらのヒット曲が、一聴してすぐスペクタープロデュース作品とわかるほどのキャラクター(ウォール・オブ・サウンド)を備えていたから

などが上げられます。

この企画に参加したレコーディングスタッフ、ミュージシャンも超一流どころでした。
よって完成したアルバムはクリスマスアルバムとしては異例のオリジナリティとクオリティを備えていました。
そして、この後発表されるビートルズやその他のミュージシャンの”コンセプトアルバム””トータルアルバム”の先駆けとなるアルバムとなりました。

 

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【Frosty The Snowman】

このクリスマス・アルバムで、わたしが一番好きなのは、ロネッツが歌う”Frosth The Snowman”です。
ロネッツのヒット曲”Be My Baby”のアレンジが施されています。
ベースラインとリズムトラック、ストリングスの入れ方なんかがそうです。

いつものようにStudio One 3で再現してみました。

クリスマスっぽくシャンシャンとベルが鳴っていますが、途中からスペクターサウンドの特徴でもあるカスタネットが連打されます。
ラストのリピート&フェードアウトでは、ドラマーの”ハル・ブレイン”のドラミングが炸裂します。
クリスマスどころの騒ぎではありません。
アップテンポのノリとこのアレンジのおかげで、逆に一年中楽しめる曲になってます。

このドラムの音はスペクターサウンドのキモなのですが、なかなか作れません。
ドラム音源を探しているのですが・・・・

 

 

【発売、その後】

スペクターのクリスマス・アルバムは1963年11月22日に発売されました。
しかし、この日テキサスでケネディ大統領が暗殺されてしまいます。
クリスマスのお祭りの雰囲気ではなくなりセールスに結びつきませんでした。

ただ、その頃にはスペクター自身も音楽業界で疎んじられる存在になりつつありました。
若くして富と名声を手にしたスペクターの気まぐれな奇行が原因と言われてます。
嫉妬もあったでしょう。

さらに音楽業界はロックの時代・歌詞が重視される時代になっていました。
当たり障りのない歌詞と楽しいメロディーのポップスはもう流行遅れだったのです。

それもセールスに結びつかなかった原因ではないでしょうか。

スペクター自身はジョンレノンからの誘いによって60年代末にささやかながら復活します。

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