”アニメ声”のヴォーカリスト2
【ヴェロニカ・ベネット】
次はこの人、
アメリカのガールズポップグループ”ロネッツ”のヴォーカル
ヴェロニカ・ベネット(ロニー・スペクター)です。
1960年代、フィル・スペクターのプロデュースで
数々のヒット曲を飛ばしました。
中央の人がヴェロニカです
アニメ声としての声質は、前述のブロッサム・ディアリーに及びません。
でも、甘い声、歌唱法ではおもいっきり”ぶりっ子”しています。
ライブになるとより顕著になってとてもカワイイです。
【ロネッツ】
1962~3年頃、多くのガールズグループが出現しました。
ロネッツもその中の一グループではあります。
しかし、ロネッツの場合、
そのアイドル・ヴェロニカの甘い声とプロデューサー・フィル・スペクターの作り出す重厚なサウンド(ウォール・オブ・サウンド)とのギャップ感のある組み合わせ、
これが成功に繋がりました。
「Be My Baby」「Walking In The Rain」「Born To Be Together」なんかほんと素晴らしいです。
アメリカ人の耳には当時最も<エバーグリーン&アメリカン・グラフィティ的なモノを体現してくれる歌手として、ヴェロニカの声は聞こえていたのかもしれません。
このプロデューサー+アイドルorグループの組み合わせは80年代以降、とくに邦楽でメジャーなプラットフォームになります。
【太田裕美】
次に日本のポップス歌手太田裕美さんです。
1970年代、日本の音楽界に”ブロッサム・ディアリーに日本語のポップスを歌わせてみたい”と思っていた音楽制作スタッフがきっといたのでしょう。
そう勘ぐらせてくれるのが太田裕美さんです。
甘く澄んだ声、舌っ足らずな歌唱、ピアノの弾き語り
もう完璧です。
初期~中期の頃のシングル作品は筒美京平さんがほぼ全作品、作編曲を担当しています。
その筒美京平さんが生み出す、都会的なメロディーとアレンジ
そして
その甘く舌っ足らずな歌唱を持つ愛くるしい太田さんとのギャップ感のある組み合わせ・・・・
これは前述のヴェロニカと同じですね。
この組み合わせがこのコンビの最大のアイデンティティーです。
わたしはシングル”9月の雨”を初めて聴いたとき、”なにこれ?カッコイイ!!”とそのサウンドにビックリしてしまいました。
ベースラインが特に新鮮だったのです。
業界にもその魅力にヤラれちゃった方々が多かったに違いありません。
伊勢正三さん、大滝詠一さんとのコラボレーションは有名です。
大滝詠一さんは前述のフィル・スペクターサウンドのフォロワーです。
日本版ロネッツはやってみたいと思っていたことでしょう。
ガールズクループではありませんでしたが、松田聖子さんや太田裕美さんで、そのサウンドを具現できたのはよかったです。
太田裕美and筒美京平のこのコンビは、この後80年代、90年代に幾つも現れる女性ヴォーカル+コンポーザーのグループの先駆けとなったのは間違いないでしょう。
【これからも楽しみ】
太田さんが学生のとき、その歌い方を友人に”変な声(歌い方)!!”と言われたという話をどこかで見ました。
時代が代わり、その声は”アニメ声”と呼ばれているわけです。
そのアニメ声もプロデュース如何で、素晴らしい音楽になることがこの三人を聴いているとわかります。
現に、「涼宮ハルヒの憂鬱」「らき☆すた」「THE IDOLM@STER」「〈物語〉シリーズ」の音楽で知られる神前暁(こうさきさとる)さん
数々のゲーム音楽(主にOP)を手がける八木沼悟志さん
といった人たちは、声優さんの歌声に80年代、90年代の音・メロディーを被せて素晴らしい音楽を作っています。
声優さんは歌唱力も抜群なのでこれからも期待持てますね。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません