新・梅の撮り方

2019年1月26日日常の文系・雑記エッセイ

ネットで「梅の花」を検索します。

すると
ふんわり柔らかとした
梅の花がとにかくメインである、
背景はとにかくぼかす、
という写真が多いです。

このような写真です。
(ふんわり柔らかさはありません)

「梅の写真の撮り方」で検索すると
なかには枝すらも不必要というサイトもあります。

ワンパターンのきらいもありますが、
でもこのような写真ばかりになるのも理解できるのです。

たとえば梅の写真を撮ろうと意気込んで
有名な梅林に出かけたとしましょう。

そこには梅が覆い尽くさんばかりに咲き誇っています。
白色だけではなく、まるでピンク色の雪が
降り積もったかのような風景を作り出しています。

長い冬がようやく終わり、春が来たんだなぁという高揚感もあって、
もう夢中になって風景写真から
梅の花のアップ写真までシャッターを切るわたし

帰宅して大画面のモニターに映し出します。
でも「風景の中の梅」の写真のそのほとんどは、
このような残念な画像ばかりだったりします。

全体にモヤッとした掴みどころのない、
なにかテーマが絞りきれていないというか、
つまらない写真です。

でも最初の写真のような
「アップで撮った梅の花」の写真は、テーマがはっきりする上に、
ネットや雑誌で掲載されている写真とだいたい同じ雰囲気で撮れています。
そうなると「あ~やっぱり梅はこの撮り方だよね」と
思えてくるのです。
みなさんもこのような経験を一度は経験されているのではないでしょうか。

そこで今回はちょっと違った目線で梅を撮ってみました。
ヒントは「盆栽」でした。

鉢の中の小宇宙と言われる盆栽。
梅は花物の代表格です。
しかしその楽しみ方は”花”だけではありません。
”枝ぶり”も楽しみの1つとされています。

そう”枝ぶり”です。
枝ぶりに着眼して梅の写真を撮ってみたのでした。



一枚目は幹が朽ちたところも魅力な
枯木(こぼく)です。

夜、登ってきた月がこの木の背景に被っていたら、
”白梅の枯木にもどる月夜かな”
などと詠んでしまいそうです。
歌の意味は違うかもしれませんけど

この木には花の少なさも逆にピッタリします。

二枚目の梅の木は
地面から勢い良く”龍”が何匹も湧き出てきているような
迫力さえ感じる樹形が魅力です。

いずれも盆栽の雰囲気を出すために
できるだけローアングルから撮って地面を入れるようにしました。

メインを張れる題材ではありませんね。
でも一枚、こんな梅の写真があると、
ちょっと個性が出せるかなぁと思いました。

今回の梅は群馬県の秋間梅林です(3月)

梅輪紋ウイルスの影響か、かなり伐採されている箇所もありました。
一枚目のような枯木なんか頑張ってほしいです。

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