新・富獄百景

2020年2月6日日常の文系・雑記エッセイ

富士山の標高は3776m

その日本一の高さゆえ、
わたしの住んでいる埼玉からは
思わぬこところから見ることができます

家々の間から、国道沿いから、線路沿いから、

とはいえ山頂だけ、ほんの申し訳程度にちょこっとだけ

いきなり「やぁ!!」と挨拶されるように

とても律儀な富士山です

あるよく晴れた、しかし季節風の強い冬の日の週末

この富士山を最も近くに見られるところまで
わたしはクルマを走らせてみました

ルートは国道16号から国道20号
そして大月ICから中央高速道路に乗り河口湖ICまで走ります

さて、富士山ですが

埼玉県内の国道16号を走っていると
進行方向でちょくちょくその姿を見せてくれます。

富士山を探そうとしてよそ見運転しなくても
目の前にその勇姿をみせてくれるのです。
安全運転に協力してくれる富士山。

とても良心的な富士山です。

ところが東京都に入る当たりからその姿は見れなくなります。

わたしが近づくにつれ気恥ずかしくなってしまったのでしょうか?
こんな内気な富士山なんか富士山じゃありません。

20号線に入ると高尾山、相模湖と景色を変えますが
相変わらず富士山はその姿を見せてくれません。

わたしは名も無き山々に囲まれてしまい
さらに曲がりくねった国道20号線に気を取られて
富士山どころではなくなります
ゴメンネ

大月ICからいよいよ中央高速道に乗ります。

名も無き山々は少し離れて
見晴らしは良くなり
富士山まで直線で約24km
そろそろ見えてもいいんじゃないかと思います。
それでも全く見えません

途中の谷村PAで休憩
駐車場の周りは雪で覆われてます

さて富士山はどこでその勇姿をみせてくれるのでしょうか

わくわくしながら走っていると
ついに、ついにその姿を現してくれました

谷村PAから5~6km行ったところでしょうか

山陰から突然現れる富士山

想像していたよりずっと高いところに
真っ白な雪で覆われた頂きがありました
とても巨大です

わざわざ国道を走り
どんどん期待を膨らませ、真打ちの登場を待ちわびたわたし
そのかいが有りました
期待感以上のお姿なのです

車窓を通りすぎる名も知れぬ山々、そしてその最後に出現する富士山
これが本当のラスボスの姿というのでしょうか
わたしはげらげら笑ってしましました

ふと速度計をみると70kmまで落ちています
富士山に見とれていましたネ

観光バスやセダンがどんどんわたしを抜いていきます
○☓kmは出ているのではないでしょうか
きっと富士山は見慣れている人たちかも
むしろその視線は下道に積もる多くの雪にあるのかもしれません

「ねぇ、見てあんなに雪があるわよ!」
「やっぱりこのあたりになると雪が多いね」

などと会話がはずんでいるのかも

頂きに積もる雪といいやっぱり

富士には、雪景色がよく似合います

山中湖畔からの富士山

河口湖畔からの富士山

Dedicating to Osamu Dazai

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