【こんなときこそモーツァルト】第41番交響曲ハ長調(ジュピター)【フーガ】

音楽系

【シンフォニー≒交響曲】

交響曲という音楽の形式は、イタリアオペラの序曲シンフォニアから始まりました。

そのシンフォニア(交響曲)の形式は、古典派の作曲家たちの手で熟成され、ハイドン、モーツァルトでほぼ定まりました
ベートーヴェンは古典派の交響曲の総まとめしたといった感じです。

交響曲には番号の他に副題が付く曲があります。

例えばベートーヴェンの「英雄」(第3交響曲)「田園」(第7交響曲)「運命」(第5交響曲)です。
名付けるのは作曲者本人や後世の人たちによって行われました。

モーツァルトの交響曲にも副題が付いている曲があります。

すべて後世になって付けられたものです。

この副題の付いている交響曲は第31番K297の「パリ交響曲」からです。
このあたりから本格的な交響曲が生み出されてきます。
(それ以前にももちろん、映画「アマデウス」の冒頭で使われた第25番交響曲といった傑作もあります)

そして、そのモーツァルトの交響曲の集大成が第41番交響曲「ジュピター」です。

【第41番交響曲】

39番、40番、41番交響曲はモーツァルトの3大交響曲と呼ばれます。

この三曲は1788年の6月下旬から8月上旬の短期間で作られました。
しかもモーツァルトはその間にも他に数十曲の作曲を行っています。

つまりこの3大交響曲は実質、それ以下の日数で作曲されたことになります。

わたしは、モーツァルトは練習と努力と研究を極限まで追求した音楽家だと思っています。
ですが、この事実からはどうしても「天才」という言葉が脳裏をよぎります。

第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ 4/4拍子 ハ長調
第2楽章 アンダンテ・カンタービレ 3/4拍子 ヘ長調
第3楽章 メヌエット 3/4拍子 ハ長調
第4楽章 モルトアレグロ 2/2拍子 ハ長調

という形式です。
とくに第4楽章が素晴らしいです。

第4楽章は、モーツァルトの作品では異例のアップテンポでドッカ~ンしてます。
(指揮者に依りますがほとんどは超絶アップテンポです)

短調の作品、特にGマイナーの曲(前述の第25番、第40番交響曲もそうです)にかなり早いテンポの作品はあります。
しかし長調、しかもCメジャーの曲で、さらに大編成の器楽曲でこのアップテンポは異例中の異例と思います。
全宇宙に鳴り響くような”サウンド”です。

ギリシャ神話最高神である「Júpiter」(ユピテル、ユーピテル)の名前が冠されている理由がわかります。

[DTM]

その第4楽章の特にキモとなるのが最後に鳴り響くホルンの音です。
これがどうしても表現できませんでした。

フーガ、対位法がたくさん出てくるので、音の強弱には注意しています。

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【ジュピター音形】

第41番交響曲の第4楽章の特徴は、幾つかのフレーズを次から次へと対位法で繰り出すところです。

第40番交響曲の第3楽章の流れをこの第4楽章に引き継いだ感じがします
突進力、というか重厚感をもたらすことに成功しています。

その第4楽章で繰り出される対位法の核となるフレーズが「ジュピター音形」です。

ハ長調では ド レ ファ ミ のフレーズがジュピター音形です。
第4楽章では、ハ長調からその属調であるト長調(たぶんです)への転調(ソラドシ)で、フーガの形式をとっているところがあるので並べて記述しました。

終盤、ホルンが高らかにジュピター音形を奏でるところから始まるフレーズは、この図の通りのコード進行でフーガが進みます。

このジュピター音形はモーツァルトのオリジナルではありません。

元は「グレゴリオ聖歌」にあるらしいのですが、よくわかっていません。

モーツァルトは交響曲第一番K16(8歳のときの作品!!)の第2楽章7小節目からこのジュピター音形を初めて登場させました。

その後、宗教曲や他の交響曲に何度か登場させて、この最後の交響曲の第4楽章です。
幼い頃から馴染みのあったメロディーを自分の作品で活かしきりました。

[フーガのコード進行]

前述の第4楽章の終盤のフレーズは、ハ長調のジュピター音形とト長調のジュピター音形を並べただけなので、厳密にはフーガとは呼べません。

動画の36秒目から出てくるフレーズが、ジュピター音形のフーガと思われます。
ハ長調のジュピター音形の最後の小節と、ト長調のジュピター音形の最初の小節が重なっています。

コード進行は以下のように思います。

ピアノだけ

これにバイオリンのメロディーをつけると

となります。

凡人のわたしなら、たぶんハ長調→ト長調→ハ長調→ト長調と進めちゃいます。

しかしこのフレーズではハ長調→ト長調→ハ長調→ホ短調(みたいな調wすみませんわかりません)と転調しています。
D7がDm7になっています。
でもコード進行を聴いてみると自然な流れです。
メロディーとハーモニーの流れを重視するモーツァルトならではなのでしょうか?

バッハの音楽で対位法やフーガに興味を持って以来、その定義を探っているわたし

今回もよくわかりませんでした(^m^;)

【まとめ】

モーツァルトのオーケストラ編成は、ロマン派の交響曲に比べて小規模です。

Youtubeの動画を見てても「音圧が足りないなぁ」と思うことがしばしばです。
しかし当時の小規模の劇場や教会で演奏された場合、会場の音響との相乗効果で凄い音で鳴り響いたのでしょう。

Wikipediaにはこのようにあります。

モーツァルトを崇敬していたリヒャルト・シュトラウスは、1878年1月26日にルートヴィヒ・トゥイレに宛てた手紙においてジュピター交響曲を「私が聴いた音楽の中で最も偉大なものである。終曲のフーガを聞いたとき、私は天国にいるかの思いがした」と称賛しており、

天国はよくわかりませんが、なんというか光に満ちた空間に駆け上がる感じがあります。
モーツァルトの交響曲群の最後のフィナーレを飾るにふさわしい、堂々たるフーガだったのです。

[交響曲第41番のもうひとつの楽しみ方]

わたしの好きな阿部寛さん主演のドラマ「結婚できない男」で、阿部さん演じる主人公桑野信介がステレオの前でクラシック音楽を大音量で鳴らし、指揮者になりきるというシーンがあります。
桑野が悦に入ってるときの表情が面白く楽しいシーンです。

この第41番交響曲第4楽章は、約7分の大編成のオーケストラシンフォニーでは比較的演奏時間の短い曲です。
なので「架空のオーケストラを自ら指揮する」初心者wに最適です。
実際やってみると思いの外感動するのと日頃のストレス発散になります。

ぜひ試してみてください(*^^*)

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