「熟成(肥土)」と「完熟」バーク堆肥の使い方に注意が必要です
前回、雑草対策にはマルチング材が有効というブログを書きました。
マルチング材として刈った芝を利用しました。
しかし庭の面積に対して芝の量が足りないので”堆肥”の利用を検討する、という内容です。
今回はマルチング材としての”堆肥”バーク堆肥についての考察です。
【マルチング材として堆肥が有効な理由】
マルチング材として有効な堆肥には「腐葉土」と「バーク堆肥」があります。
これらの堆肥はC/N値が他の堆肥に比べて高い数値を示していて、微生物による分解に時間がかかるのが特徴です。
- C/N比ーC:炭素 N:窒素の比率 数値が高いほど分解に時間がかかる
よってマルチング材として補給する必要が他の堆肥と比べて少なくて済む(長持ちする)わけです。
ちなみにC/N値は以下の通り
- バーク堆肥:50~100
- 腐葉土:30~50
【自治体が無料配布していた堆肥】
雑草だらけになる庭をバーク堆肥や腐葉土で覆うにはかなりの量が必要です。
購入するとなると結構な出費となります。
そこで「無料」←w「堆肥」で検索すると私の住んでる自治体で堆肥を無料で配布していることがわかりました。
ただし堆肥という名前ではなく”土壌改良材「肥土」”という名前です。
[肥土(バーク堆肥)]
サイトをみると「肥土」についての説明がありました
肥え土は〇〇市内の公園などで排出された剪定材を「草木類資源化施設」で破砕処理して、約6か月間かけて水分のみで発酵・熟成させたものです。
剪定材とありますのでバーク堆肥であることが推測されます。
「無料」の言葉につられたわたし、早速申し込みをして受け取りに行きました。
配布している場所です。
奥の黒い山がバーク堆肥です。
よく見ると白い物体がみえます。キノコが生えていました。
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【”熟成”と”完熟”バーク堆肥の違い】
受け取ってきたバーク堆肥を改めて見てみました。
堆肥って黒い色が基本色だとばかり思っていました。
が、もらってきたバーク堆肥は黒いところ、赤っぽいところ、さらにはただの木片みたいのが混在してるものでした。
想像していたのとだいぶ違うお姿に困惑したわたし
配布サイトにあった”熟成”の意味と
Amazonで販売されていたバーク堆肥に冠されていた”完熟”
の違いを調べてみました。
[バーク堆肥の構成成分]
初期のバーク堆肥は以下の有機成分で構成されています
- 糖・アミノ酸・有機酸・アルコール
- デンプン・タンニン・ヘミセルロース・タンパク
- セルロース
- リグニン
1~4に分けたのは微生物等で分解されるスピードの違いです。
1.の成分の分解が一番早く、4.のリグニンが最後に分解される有機成分ということになります。
[熟成と完熟バーク堆肥の違い]
どうやら
- 1.~3.の途中までが分解が進んだのが”熟成”バーク堆肥
- セルロース、リグニンの分解まで進んだのが”完熟”バーク堆肥
ということのようです。
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【熟成バーク堆肥/完熟バーク堆肥の使い分け】
[土壌改良には熟成バーク堆肥]
土壌改良には土中の微生物が活発に動き働き続けることが必要です。
そのことで土の団粒構造化が促進されて保水力、保肥性が上がります
熟成バーク堆肥は、セルロース・リグニンが存在しています。
この有機成分は微生物が時間をかけて分解することになり、長期にわたって保水性、保肥性が保たれるわけです。
よって土壌改良には熟成バーク堆肥を使うのがよいということになります。
[堆肥として使うなら完熟バーク堆肥]
額面通り”完熟”状態なら堆肥として完熟のバーク堆肥を利用することになります。
リグニンまで分解されている(と思われる)ので土中微生物によるさらなる分解も早く、即効性があり堆肥として使えるからです。
ただ、これはあくまでも推測ですが、バーク堆肥に”完熟”と冠するために色々細工?をしているような気がします。
C/N比を下げるためにC/N比がバーク堆肥より低い腐葉土を混ぜているとか・・・です。
完熟させるにはかなり手間暇コストがかかりそうな気がしてます。
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[熟成バーク堆肥の注意点]
セルロースが残っているために害虫を呼ぶ可能性があると思います。
シロアリとかコガネムシの幼虫とかです。
シロアリはセルロースを食します。
またセルロースやリグニンを分解するために微生物が活発に活動する際に窒素を必要とします。
そのため土中の窒素が不足することになります。
そこで窒素肥料(油粕など)を投入する必要があります。
【まとめ マルチング材としての使用を断念しました】
今回、無料配布された堆肥はバーク堆肥であり熟成段階のモノであることが推測されます。
となると熟成バーク堆肥の注意点にもあるように雑草対策のためにこのバーク堆肥を撒くというのはできないと思いました。
特にシロアリを呼んでしまいそうでやばそうです。
我が家の庭は粘土質の土壌なので土壌改良材として使用するつもりです。
またこのバーク堆肥に落ち葉、雑草を使って本格的に堆肥を作ることも検討しています。続きはこちら↓
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