蒲焼と蒲鉾のなるほどなお話

2020年1月28日日常の文系・雑記エッセイ

7月になり、下旬には夏バテ対策の土用丑の日も控え、今年も鰻(うなぎ)のシーズンになりました。

お高くてなかなかお口には入りませんけど(^m^;)

色々な料理の方法があるのでしょうが、イメージ的にはうなぎといえば「蒲焼(かばやき)」です。

この蒲焼の”蒲”という漢字

この漢字は沼に植生しているガマのことです。

(黒く膨らんでいる部分が雌花で、雌花から上の部分が雄花です。)

なぜガマの漢字を当てて蒲焼としているのでしょうか

【蒲焼】

うなぎは開いたものに串を刺し、甘辛いタレに浸けては焼き、浸けては焼きします

しかし江戸時代より前は、

・うなぎの尾の部分を切り落とす
・うなぎの口から竹の棒を突き刺す
・その竹の棒をグルグル回しながら火で炙る

というのがうなぎの一般的な料理方法だったのです。

その様がガマの穂に似ていたので蒲焼と呼ばれました。

ワイルドな料理方法です。

現代のように開いて焼くようになったのは江戸時代になってからです。

また、うなぎを一旦蒸してうなぎの皮を柔らかくしてから焼くという今の料理方法も、同時期に確立していました。
焼き立ての鰻の蒲焼の保温を目的として、温かいご飯の上にうなぎをのせた、うな重、うな丼の形式が幕末にかけて確立しました。

ちなみに、内蔵を取って背開きとしたのは「切腹」のイメージを嫌ったからです。

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【蒲鉾】

このガマの漢字をつかった食べ物は他に、蒲鉾(かまぼこ)があります。

蒲鉾といえば、すり潰して練った白身の魚を板の上に半月状に乗っけて蒸した形が一般的なイメージです。

しかし蒲鉾も白身の魚をすり潰し練ったモノを竹の棒に塗りつけてグルグル回しながら焼きました。


これに竹の棒が刺さった状態が蒲鉾の原型

それがガマの穂に似ていたため、”蒲”の文字が付けられたのです。

【まとめ ~蒲田の場合~】

蒲焼も蒲鉾も最初の料理方法の形・見た目がガマの穂に似ていた為にガマ(蒲)の漢字が使われました。

バウムクーヘンも製造過程でガマの穂に似たような外見になります。
日本でそのようなお菓子が考案されていたら、きっとガマの漢字が当てられていたかもしれません。

蒲という漢字が使われている地名に東京都大田区にある「蒲田」があります。

こちらも気になります。

以前は蒲の生い茂る沼と田んぼがほとんどを占める地域だったと想像できます。

ところが名前の由来には諸説ありますが、ガマ、及びガマの穂とは直接関係ないみたいです。

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