アメリカの好景気 確信の1950~60年代2
ダウ工業株30種平均株価は朝鮮戦争が勃発した1950年頃から
だんだん上向いていきます。
【冷戦構造がもたらすもの】
戦争中、戦後を通して経済が発展していった稀有な例ではないでしょうか。
第二次世界大戦後、共産主義との戦いが明確になる中、実際に起こった戦争が朝鮮戦争でした。
その戦争は停戦という形になりましたが、ソ連との冷戦は以後、より現実的なものになりました。
トルーマン大統領の封じ込め政策、
そしてアイゼンハワー大統領の巻き返し政策によりソ連との冷戦構造をヨーロッパやアジアで本格化させました。
アメリカ政府の支援のもと、この冷戦を軸としたアメリカの産業・経済が発展していったのです。
この冷戦構造は新たな産業をもたらします。
ソ連がスプートニク1号の打ち上げを成功させたことにより、宇宙開発を含めた国防・軍需産業のハイテク化が急務となりました。
エレクトロニクスに関連する企業の株が高騰。
IBM、テキサス・インスツルメンツ、ヒューレット・パッカードといった、今も名の知れたIT企業がこのあたりから出てきます。
一方、技術革新が進んだのは軍需産業だけではありませんでした。
一般庶民向けの新たな耐久消費財テレビ、クルマ(長距離走行可能)、エアコン、冷凍冷蔵庫といったものが登場してきました。
これらを開発した企業に記録的な利益がもたらされています。
第二次大戦後のベビーブームにより人口が増加していて、住宅建設ブームにもなりました。
【ブレトン・ウッズ協定】
金融の面では
第二次大戦後ブレトン・ウッズ協定によって、ドルは外国為替レート決定で大きな役割を担うようになりました。
各国通貨はドル建てで価値を明記することが決まりました。
アメリカ企業は海外市場に進出することになり、ドルは国際的な貿易と投資においてアメリカの支配を後押しします。
また、FRBが朝鮮戦争後、金融政策を市場の成り行きに任せる方向へ舵を切っています。
アイゼンハワー政権も株式市場には好意的でした。
このような中で、
経済規模は小さいながらも、アメリカ経済の好調さを世界に印象付ける、あたらしいコンテンツが登場していました。
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続く
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