5~6月の夜に”ジーッ”と鳴く昆虫

2019年1月16日日常の理系身近な自然

夜に鳴く昆虫といえば秋の虫です。

しかし5月から6月の梅雨にかけての夜、野原、畑で”ジーーッ”と鳴いている虫がいます。

埼玉県にはまだまだ野原、畑が多いので耳を澄ますとよく聞こえます。


 

【クビキリギリス】

5月ごろ、野原で鳴いているのが”クビキリギリス”という昆虫です。

”クビキリ・ギリス”と読んでしまうと恐ろしい怪獣の名前みたいです。
”クビ・キリギリス”と読むのが正解でバッタ目キリギリス科の昆虫です。

本来なら写真で撮りたいところですが、なんかコワイので無理ですw

ネットで検索したのですが、真っ赤な口をしていてやっぱりコワかったです。
そのお姿はネットで御覧ください。

以前友達に「あのジーッって夜に鳴いてるのってナニ?虫?」と聞いたところ、その存在を教えてくれました。

それでネットで詳しく知ることになったのです。

それと同時に長年の謎が解けました。
この虫、実は幼稚園の頃に一度遭遇していたのです。

その頃、東京から引っ越してきたばかりでした。

こどもの日に、家の裏庭で遊んでいたときのことです。

緑色のバッタが突然草の上にいてまずビックリ
手に持っていたスコップ(たぶんスコップだったと思います)で突いたら、落ちると同時に羽を広げて飛んでいったのでさらにビックリ
泣き出してしまったようです。

こどもの日に成虫のバッタとか、おかしな記憶だなぁとはずっと思っていたのです。
しかし、クビキリギリスは成虫で越冬して5月に産卵すると知りました。
あの時の虫はクビキリギリスだったのかも、と思いました。

”本来の生息環境で目視されるのは稀で”

とありますのでとても貴重な経験だったのかもしれません。
それにしてもとてもデカかったなぁ><。

 

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【ケラ】

そして6月、ジメジメとした梅雨の時期に、今度は畑でやっぱり”じーっ”と鳴く虫がいます。

しかしクビキリギリスのそれとは違い、音が小さくそして低音です。

土の表面か土の中で鳴いているようです。
それが”ケラ”です。

この声の主がケラであることは知っていました。

中上健次の小説「岬」で(途中で挫折しました。再挑戦したいです)、梅雨のジメジメ感をさらに募らせる効果として、このケラの鳴き声が劇中、象徴的に使われていました。

小説の舞台である和歌山県では、呼び名が違うらしくたしか”ジグモ”?となっていました。
注訳として”ケラのこと”と記されていました。

実物はまだ見たことがありません。
ネットで検索したのですが、そっ閉じしました。
家の中には絶対出てきて欲しくないです!!

ケラは飢餓にとても弱く、水がないと1日でお亡くなりになるらしいです。

・・・と、ここで1つの疑問が

わたしがよく耳にするのは近所の畑です。
周りには川も湿地帯も田んぼもありません。
あれ?水なんかないよ?と思ったのです。

ただ、
ケラの声はたまに側溝からも聞こえることがあります。
どうやらケラは生活排水側溝に流れる水を利用しつつ、畑で生活しているみたいです。
たくましく適応してますね。

ウィキペディアでは

農薬の使用、開発による水田の減少など環境の変化が重なり、ケラはその数を減らしている。

とあります。

そのような自然がまだ身近にある埼玉県、スゴイです。

実物はあまり好きではありませんが、
季節の移り変わりを感じられる虫の声は大切にしたいです。

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